電子回路の世界では、
「大きな値」と
「小さな値」が
同時に飛び交います。
例えば、抵抗は「1,000,000 Ω」、
コンデンサは「0.000000000001 F」といった
極端な数値になることが日常茶飯事です。
そのまま「0」を書き並べると
計算間違いの原因になるため、
「k(キロ)」や「µ(マイクロ)」といった
アルファベット(SI接頭辞)を使って
ゼロの数を省略して表現します。
1. まずは基本の単位(SI組立単位)
接頭辞をつける前に、電気回路で頻繁に登場するベースとなる単位をおさらいしましょう。これらに「k」や「m」をくっつけて使います。
電圧
V ボルト
電流
A アンペア
抵抗
Ω オーム
電力
W ワット
静電容量
F ファラド
インダクタンス
H ヘンリー
周波数
Hz ヘルツ
時間
s 秒
2. 絶対に暗記すべき「SI接頭辞」一覧
電子回路では、主に「1000倍(103)ごと」または「1/1000倍(10-3)ごと」に区切って接頭辞を使います。
| 接頭辞 (記号) | 読み方 | 倍率 (10のX乗) | 実際の数値 | よく使う部品 |
|---|---|---|---|---|
| T | テラ | 1012 | 1,000,000,000,000 | 周波数 (THz) |
| G | ギガ | 109 | 1,000,000,000 | 周波数 (GHz) |
| M | メガ | 106 | 1,000,000 | 抵抗 (MΩ), 周波数 (MHz) |
| k | キロ | 103 | 1,000 | 抵抗 (kΩ) |
| - | 基準単位 | 100 | 1 | V, A, Ω, W など |
| m | ミリ | 10-3 | 0.001 | 電流 (mA), コイル (mH) |
| µ | マイクロ | 10-6 | 0.000 001 | コンデンサ (µF), 時間 (µs) |
| n | ナノ | 10-9 | 0.000 000 001 | コンデンサ (nF), 時間 (ns) |
| p | ピコ | 10-12 | 0.000 000 000 001 | コンデンサ (pF) |
※「µ(マイクロ)」はギリシャ文字の「ミュー」です。キーボードで「みゅー」と打って変換するか、「u」で代用されることもあります(例:10uF)。
3. 計算を劇的にラクにする実践テクニック
知っておくべき計算の裏ワザ
単位変換のコツは「小数点を3つズラす」だけ!
接頭辞は1000倍(103)刻みになっているため、単位を一つ変えるたびに「小数点が3つ移動」します。 例えばコンデンサの容量を変換する時、このルールを知っているだけで暗算で一瞬で答えが出ます。
例: 0.1 µF を nF に直すと?
(µ から一つ小さい n に行くので、右に小数点を3つ移動!)
計算が劇的にラクになる!「mとkの相殺ルール」
オームの法則(V = I × R)を計算する時、電流が「mA(ミリ)」で、抵抗が「kΩ(キロ)」という組み合わせが非常に頻繁に出てきます。 わざわざ 10-3 や 103 を電卓に打ち込む必要はありません!
「ミリ (10-3)」と「キロ (103)」は掛け算すると「1」になって綺麗に消滅(相殺)します。
同様に、「µ(マイクロ)と M(メガ)」も掛け算すると相殺して消えます。このルールを知っているだけで、テストの時の計算スピードと正確さが段違いにアップします!